第46回日本コミュニケーション障害学会学術講演会

The 46th Meeting of Japanese Association of Communication Disorders

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第46回日本コミュニケーション障害学会学術講演会
会長 川崎 聡大
東北大学大学院教育学研究科

第46回日本コミュニケーション障害学会学術講演会は,2020年5月30日(土)~31日(日)に,宮城県仙台市青葉区の東北大学川内キャンパスで開催いたします。多くの皆様にお越しいただきたくご挨拶申し上げます。

今回の学会を計画するにあたり、基本方針を事務局メンバーと確認しました。まず基本方針として、「我々が見せたいもの」ではなく「参加者が知りたい、知っておきたいと感じる内容」を準備しよう、特に若手の現場の先生が心の底から「行ってみたい」「参加してみたい」と思っていただける内容にしよう、と話し合いました。

この観点に則ってまず、基調講演、特別講演、教育講演、シンポジウムを構成しました。我々の領域が進むべき方向性に有意義な示唆を与えていただき、それを共に考える機会となる企画を準備しました。まず基調講演には長田乾先生(横浜総合病院)をお迎えして「認知症を支援する」と題してご講演をいただきます。長田先生は秋田県立脳血管研究センターでのご活躍をはじめ、今もなお認知症の臨床と研究の最先端に位置する先生です。長田先生のお話は常にご自身の臨床に裏付けられた豊富かつ最新のデータに基づいているだけでなく、聞く人に応じた活きた知識となる御講演をいただけると確信しています。特別講演には本郷一夫先生(東北大学大学院教育学研究科)に「発達を支援する」と題してお願いをしています。本郷先生は発達心理学を専門とされ「気になるこどもの発達支援」に関して数多くの業績を積み重ねてこられています。特にミクロな視点に陥りやすい発達支援においてチームを意識し、何より長期的展望を持った発達支援の在り方についてご示唆いただけると確信しています。次に教育講演は二つ準備させていただきました。まず自閉症スペクトラム障害(ASD)に関する脳科学で世界最先端を走る渡部喬光先生(理化学研究所)からASDの脳科学について最新の知見を交えてご講演をいただき我々のASDの実態理解を一歩進めていただくきっかけとしたいと思います。さらに教育講演2川島隆太先生(東北大学加齢医学研究所)から生活習慣と脳に関するご講演をいただきます。川島先生のご実績については説明不要かと存じます。生活習慣と脳との関連についてのご講演から参加者が「習慣」について考える機会になると思います。シンポジウムではコミュニケーション障害の領域での大きなトピックスでありながら、様々な考え方や理解がなされている「ナラティブ」と「学習言語の支援」を取りあげ参加者の皆様と考える契機としたいと思います。

次に「現場と研究の双方からの還流」です。研究知見のプライオリティーは重要ですが、それに固執するあまり研究の本質と本文を見失っていないか常に顧みる必要があります。研究は医療・教育・福祉といった様々な現場に還元できてこそ意味を成すと我々は考えます。研究自体がゴールでもなければ、自己満足のためでも宣伝の手段でももちろんありません。また現場から研究への還流によって研究の更なる進展が望めます。学会の役割として先端の研究知見と現場の相互還流の要、橋渡し役を担えることができないかと考えました。この観点を具現化するために今回、多くのモーニングセミナーとランチョンセミナーを企画しました。モーニングセミナーでは高次脳機能から学習障害、流暢性障害に関するいまさら聞けない基本的事項から実践手技まで、丁寧にそれぞれの領域の第一人者の先生からご講義を賜ります。ランチョンセミナーでは(企画によりますが)体験を取り入れワークショップに近い形で実施し、「近寄りがたい研究知見」をすぐに活用できる知識として皆様に知っていただく機会としたいと考えています。大井学先生(金沢大学)にお願いしております「CCC-2を使ってみよう!」をはじめとして、保護者支援から聴覚活用、ひいては個別指導計画への検査結果の活かし方に至るまで多くの企画の準備調整を進めています。ランチョンセミナーでは皆様のお弁当を用意します(事前登録をされた方に限ります)。

最後に「原点回帰-ディスカッションの重視-」です。Natureに多くの論文を載せた南方熊楠は「権威に媚び明らかな間違いを不問にしてまで阿諛追従する者など日本には居ない」言葉を残しています。ディスカッションは自分を守る手段はなく、真摯に自分の歩みである結果と向き合う手段であり、その過程なくして研究知見を高めることは出来ないと考えます。著名な先生の実践やスポットが当たっている実践が必ず正しいとも限りません。この学会が、そういった日々感じる疑問を素直にぶつけたり、児・者に資する多くの実践にスポットを当てることが出来るディスカッションの場でありたいと思います。これを実現すべく、一般の発表とは別に「実践研究枠」を設定します。演題数は限られますが、一般演題に比べて発表時間やディスカッションの時間に余裕を持たせたいと考えています。

日本コミュニケーション障害学会は今回で46回を数える歴史を有しています。伝統を尊重する最も具体的な行動は新たに伝統を創造することだと考えます。今回の新たな取り組みがこの学会の新たな一歩となることを小生、藤原副実行委員長、松﨑事務局長を始め実行委員一同の総意として切に願っています。

新緑の仙台にぜひ足を運んでください。皆さん、一緒に勉強しましょう。

開催会場

東北大学川内南キャンパス
〒980-8576
仙台市青葉区川内27-1

事務局

東北大学大学院教育学研究科
川崎研究室内
事務局長:松崎 泰
(東北大学加齢医学研究所)
〒980-8576
仙台市青葉区川内27-1
E-mail:
acd46annual.meeting
@sed.tohoku.ac.jp

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